【分かりやすく解説】F1 2022年シーズンのレギュレーション変更

F1のこと

衝撃のファイナルラップでのチャンピオン決定から早3か月、
2022年のF1もまもなく開幕です!

今シーズンのF1を語る上で欠かせない話題がレギュレーション変更ですよね

マシンの形が大きく変わると言われてるけど、
なぜ変わるのか、どう変わるのか、よく分からない方もいると思います

今回は2022年シーズンのレギュレーション変更について分かりやすく解説します

大きく分けて、①マシンに関する変更・②走行セッションに関する変更
がありますので、それぞれ解説していきます

マシンに関する変更

空力コンセプト

2022年のコンセプトマシン(出典元:https://www.formula1.com/

今シーズンのF1マシンは「グランドエフェクト」という空力コンセプトが取り入れられます
簡単に言うと、ダウンフォースの発生のさせ方が変わるということです
ダウンフォースとは、マシンを地面に押し付ける力のこと、
非常に強いダウンフォースを発生させることでF1は時速300km/hでコーナーを曲がれます

グランドエフェクト自体は昔からレーシングカーに適用されていて、
1970年代後半のF1の主流はグランドエフェクトカーでした
マシンのフロアが飛行機の翼の逆向きのような形になっていて、
強力なダウンフォースを発生させることができるため、高速なマシンとして流行しましたが、
一方でクラッシュなどの危険性が高かったために廃止されました

グランドエフェクトカーのロータス78
(出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%83%BB78

その後、F1のフロアはフラットな面でないといけないというルールになりました
(※厳密には完全なフラット面も禁止され、段差のついたステップドボトムが去年までのルール)

グランドエフェクト廃止後、F1はウイングなど車体表面のパーツを複雑な形状にして、
強力なダウンフォースを発生させてきました

2021年レッドブルRB16Bのフロントウイング(出典元:https://f1-gate.com/redbull/f1_60811.html

しかし、去年までのF1マシンにも問題点がありました
複雑なウイング形状等により、マシンの後続に乱れた空気の流れ(乱流)を発生させていたのです
その結果、後続マシンは前のマシンに近づきにくくなり、
オーバーテイクのしにくいマシンとなっていました
(乱流の中に入ると、自分のマシンのダウンフォースが減少してしまうため)

そこでグランドエフェクトの復活です
アンダーフロアトンネルという構造でグランドエフェクトを発生させます
その分、ウイング等のパーツを簡素化でき、後続への乱流を抑制できるというわけです

2022年マシンのアンダーフロア(出典元:https://www.formula1.com/
2021年と2022年のフロア構造の比較(出典元:https://the-race.com/

この変更により、今シーズンはオーバーテイクの機会が増えると予想されています

タイヤサイズ

今シーズンから、これまでの13インチから18インチに変更されます

18インチタイヤ(出典元:https://www.formula1.com/

F2では2020年から18インチタイヤを採用していましたので、
その年にF2に参戦していた角田選手は18インチタイヤの経験者ということになりますね

F2 カーリンの角田裕毅選手(出典元:https://www.yukitsunoda.com/

見た目の好みは分かれるところかもしれませんが、
見慣れるとかっこよく見えるのではないでしょうか

18インチになることで、13インチと比べてタイヤのたわみが減るため、
各チームがかなりのお金を使って計算していた空力解析の予算を削減できること、
タイヤメーカー(ピレリ)の市販タイヤへのフィードバックがしやすくなること、
すでに18インチを採用しているフォーミュラEでは若者を中心に好評であること、
などが変更の理由だそうです

また、空力の観点から、
ホイールカバーとホイールウイングも新たなアイテムとして登場します

出典元:https://www.formula1.com/

最低重量

昨シーズンより+38kgの790kgが最低重量となります

衝撃吸収構造の強化などの安全性、
チーム格差の是正、などが変更の理由のようです

空力コンセプトの変更と合わせて、
去年よりラップタイムは遅くなると予想されています

パワーユニット開発

パワーユニット(PU)は、2025年まで開発が凍結されます

現行の1.6リッターV6ターボハイブリッドのPUは、
ホンダが昨年末で撤退したことにより、全チームの開発が凍結されます
ホンダは引き続きレッドブルとアルファタウリにパワーユニットを供給するので、
ホンダPUのチームだけ開発ができなくなってしまうことから、全チーム合意の元で決定されました

出典元:https://honda.racing/ja

ちなみに、2026年からは次世代のパワーユニットとなる予定だそうです

燃料

今シーズンから、F1はE10燃料で走ります

E10とは、バイオ燃料であるエタノールの含有量を表していて、
10%のエタノールが入っているガソリンということです(去年まではE5燃料)
F1のカーボンニュートラルに向けた取り組みの1つということになります

E10になることでエンジンの出力は落ちるはずなので、
PUサプライヤーの対応力が問われます

出典元:https://www.formula1.com/

走行セッションに関する変更

スプリント予選

昨シーズン同様、3つのグランプリでスプリントが行われます
エミリア・ロマーニャGP、オーストリアGP、ブラジルGPです

ちなみに、今シーズンは「スプリント予選」ではなく「スプリント」と呼ぶそうです

ポイントシステムも変更になります
スプリントの上位8人にポイントが与えられ、
1位が8点、以下1点ずつ減って8位が1点です

スプリントのポイントシステム(出典元:https://twitter.com/f1

また、昨シーズンまではスプリント予選の優勝者をポールポジションとしていましたが、
今シーズンは金曜の予選で最速タイムのドライバーがポールポジションとなります
個人的には大賛成です、やっぱり1周の最速ラップを記録した人がポールと呼ばれるべきですよね

使用タイヤ

今シーズンは、決勝スタート時のタイヤ選択が可能になります

昨年までは、予選Q3進出者はQ2での最速タイムを出したタイヤでのスタートでしたが、
今年は予選と決勝のタイヤ選択は関係ありません
これも賛成です、
去年までは中団勢で頑張ってQ3進出したドライバーが決勝のタイヤ戦略で不利になってましたからね

グリッド降格ペナルティー

ギアボックス制限によるグリッド降格ペナルティーが変更になります

昨年は同じギアボックスの6戦連続使用が義務付けられていましたが、
今シーズンは年間通して、構成する部品が4基までという制限に変更になりました

4基の制限を超える場合は5グリッド降格のペナルティーとなります
予算制限、チーム格差の是正と思われます

パルクフェルメルール

マシンに対する作業が制限されることを「パルクフェルメ」と呼びますが、
そのルールが変更になります

昨シーズンはQ1でマシンがピットから離れた瞬間からパルクフェルメ状態でしたが、
今シーズンはFP3でピットを離れた瞬間となります

パルクフェルメ状態でも、
フロントウイングの調整やタイヤ空気圧調整など、一部の作業は認められています

まとめ

いかがだったでしょうか
なんといっても今シーズンのレギュレーション変更の目玉は空力コンセプトですよね
もしかしたら、これまでのチームの勢力図が大きく変わるかもしれません
とても楽しみです

各チームの新車情報についても今後発信していきますので、
もうしばらくお待ちください~

出典元:https://www.formula1.com/

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